釣行記2021.4.9-10と勘違い男の話
当日は風裏のWIRに入った。が、生命感ゼロで23時に撤退。 色々可能性を調べるがどこも渋いらしい。 絶望して少し寝ることにした。
2時に目覚めて再び検索した。どこも微妙。 これはサゴシでもやりに行くしかないかと、 NPへ向け走り出した。 途中のSRでも見ていくかと軽い気持ちで駐車場に入ると満員御礼 状態。夜からすごい。
車から降りて浜へ向かい、適当に話しかけてみると、 今湧き出した!と皆忙しそうにしていた。 おばちゃんは沖でこけて着替えてきたそうだ。
足元ではホタルイカがどんどん寄せていた。これは、もう、 掬うしかないよねってことで、 急遽ホタルイカ掬いおじさんに転向して頑張ることに。 テトラについた藻が夜露でふやけて足場が悪かったため、 安全だがきつい体勢で掬っていく。多少ゴミが多いが、 砂浜より後の処理が楽に済みそうだった。 この時点でほとんどマズメから日が出切って、 かなり的確にホタルイカへたも網を入れられるようになったくらい で湧きが落ち着いた。網使いのいい練習になった。
イカの人たちが帰り始め、自分も十分掬ったので釣りに戻る。 しかし、周りも自分も何も釣れなかった。
ホタルイカを処理してNPへ向かう。 ロケーションはBWににていた。 何とか間に入らせてもらいサゴシを狙っていく。 この時6時半頃だったか。マズメ時には良く釣れていたようで、 帰っていく人は3本くらいは下げていた。 隣の人は初心者らしくキャストほぼ同じように狙っても立ち位置が 違うだけで釣果は雲泥である。釣りとはこういうことだ。 いる場所に投げなくてはならない。 BWでやったときは魚が溜まっている場所が明確にあることがあっ て、 例え回遊魚といってもその場所に等しく泳いでいる訳ではないとい うことは知っていた。
海中は稚鮎やイワシらしきベイトが泳ぎ、 時々何かに追われているのかボイルしていた。 こうなると中々やめられず、体力が削られていく。 早朝のテトラも効いて、尻や脚もだるい。 満潮からの下げで潮目が出来はじめたので、 それを探って終わろうと思った。様々な試行錯誤の上、 緩やかなハイピッチジャーク4回の2カウントフォールでようやく 1バイトあった。しかし、 サゴシ特有のミスバイトでジグは歯形だけ付けて返ってきた。 トレブルにしたのになあ。
夜の予定と体力の限界を考え、10時半に納竿した。
しかしなんだろう、釣れない日はとことんついていない。
ホテルにチェックインし、汗を流してすぐに寝た。 そしてだるい体を起こして集合場所へ向かう。 今日は何のことなく飲みながら考えてきたことを伝えるはずだった 。
会話は進み、伝えることを伝えた。 友達だと思ってるから真剣に考えてきた。ところが、 話の流れで相手からは友達だと思われていないと打ち明けられた。 酒に酔っていたおかげもあり、その衝撃は柔げられた。あるいは、 人生中で友達でないことを本人から言われる機会などそうないとい うことが内容の悲壮ではなく単純な驚きをもたらした。
感慨は津波のように後からやってくるもので、 しばらく考える日々を送ることになったが、それは別の機会に。
その後は独りでバーへ行った。 無機質になりながらもどこか話したいという欲求を、 そこのイベントの奇天烈な主催者と酔っ払った客、 スタイリッシュな店員が満たしてくれた。イベントは、気分でよくわからないドリンクを決めるというニューヨークスタイルのカクテルを提供するというものだった。面白そうだったので私も一つ頂くことにした。出来上がったものは想像とは裏腹に好みの味だった。 主催者が渡してくれたお品書きの原料をみて雰囲気で決めたDouble Bluffは、実は一番本場らしい何の味がするかわからないし保証しないというものだったそうだ。知っていることは狙った結果をもたらすのに必要だけど、知らなかったことの方が大きな要因となって目的達成を遠ざけたり、あるいは適当に決めてもドンピシャにあっていることもあるという、その日の運命の妙を感じた。